任那日本府の存在

小国連合体の任那〔3世紀-6世紀〕は
百済〔4世紀-6世紀〕・新羅と違い統一された国家ではないですが
倭人の拠点があり、倭からの文化流入があったことは確かなようですね。

◆慶尚南道の東三洞貝塚(とむさむどん)
大量の縄文土器と九州産の黒曜石が出土しています。

◆山海経
『蓋國在鉅燕南 倭北 倭屬燕」(山海経 第十二 海内北經)』
訳:蓋国は鉅燕の南、倭の北にあり。 倭は燕に属す。
蓋国は遼東半島の蓋平と北朝鮮の蓋馬と考えられますが、
朝鮮半島南部は倭ということですね。

◆新羅・百済・任那の勢力圏内で
日本産〔糸魚川産〕のヒスイ製勾玉が大量に出土しています。

◆慶尚南道〔任那〕の勒島遺跡
北部九州の須玖(すぐ)I式(弥生中期前半)を中心とした時期の土器
が見つかっています。

◆三国志魏書弁辰伝
『國出鐵、韓、濊、倭皆從取之。』
国は鉄を産出し,韓,口,倭など皆,これを採りに来る、と言っています。
『男女近倭、亦文身。』
男女は倭に近く,全身に刺青もする、が訳です。弁辰は伽耶≒任那の前身ですね。

◆◆◆三国志魏書東夷伝倭人条-3世紀末
『韓在帶方之南、東西以海為限、南與倭接、方可四千里。』
訳は「韓は帯方郡の南に在り、東西は海で尽きる。
南に倭と接し、四方は四千里ばかり。」ですが、
朝鮮半島の韓の南に倭が陸続きであるといっていますね。
つまり朝鮮半島の南端部が倭と言っています。

◆広開土王碑
391年、倭が新羅や百済を臣民とした。
399年、高句麗に従属した百済が高句麗を裏切り倭と通じる。
400年、には倭が新羅の王都に満ちていた。
これに対し高句麗の広開土王が新羅救援のため派遣した軍隊が新羅の王都に迫ると倭軍は任那〔伽耶〕・加羅〔伽耶〕に退き、高句麗軍はこれを追撃したという。
404年、倭が高句麗領帯方界にまで攻め込む。

◆三国史記
393年、倭が新羅の王都を包囲する。
397年、百済が倭国に阿シン王の王子腆支を人質に送り国交を結ぶ。
402年、新羅も倭国に奈勿王の子未斯欣を人質に送り国交を結ぶ。
405年、倭国に人質となっていた百済王子の腆支が、倭国の護衛により海中の島で待機して、のちに百済王として即位する。

◆宋書倭国伝
438年、珍〔MEZURA〕(MATSURAの子孫)が
珍島〔MEZURA〕百済南岸と三千浦〔MUTIURA〕加羅を支配。
加羅は任那の中の小国。
451年、宋朝の文帝が倭王済に
「使持節都督・新羅・任那・加羅・秦韓・慕韓六国諸軍事」の号を授けた。
478年、宋朝の順帝が倭王武に
「使持節都督倭・新羅・任那・加羅・秦韓・慕韓六国諸軍事安東大将軍倭王」
の号を授けた。

◆日本書紀
神功皇后49年3月条に神功皇后が新羅へ親征し服属させた。
将軍荒田別(あらたわけ)及び鹿我別(かがわけ)を派遣し、比自ホ(ひじほ)、南加羅(ありしひのから)、喙国(とくのくに)、安羅(あら)、多羅(たら)、卓淳(たくじゅん)、加羅(から)の七カ国を平定し、西方に軍を進めて、比利(ひり)、辟中(へちゅう)、布弥支(ほむき)、半古(はんこ)の四つの邑を降伏させた。
すべて任那の小国。

九州の倭国だけでは上記のような活動は出来ないでしょう。
半島南部の無政府地帯(伽耶)の中にかなり前から倭国の拠点があり、
新羅・百済・高句麗のパワーバランスの中で
暗黙のまま存在していたのではないでしょうか?
また高句麗が伽耶の加羅に一時侵入したのはAD400年です。
金官加羅はAD530年ごろ衰退 AD562年新羅に併合されますね。

◆日本書紀
任那四県を百済に割譲した問題で、大連・大伴金村が失脚。

◆釈日本紀
任那日本府を任那之倭宰(みまなのやまとのみこともち)と注釈。

◆3世紀に日本に現れた前方後円墳が
百済領全羅南道の栄山江流域から発見されました。
時代はかなり下って5世紀末・6世紀頃のものですね。

ところで3世紀末の伽耶の金官加羅の木槨から北方系の遺物が出土していますが、
この地域が3世紀まで中国の楽浪郡と交易していたからでしょう。
木槨は中国文化で3世紀に金官加羅でよく見られます。
高句麗系遊牧民特有の石積みの墓はこの時代の加羅にまったくありません。
ヤマトのホケノ山古墳(3C)の木槨は倭人も住むこの地域から
日本列島に人・物・文化が伝わったと考えるほうがベターですね
百済・新羅が建国され漢の出先機関が滅ぼされたのが4世紀ですが、
この地域の半島の倭人の中に日本に再渡来したものがいたと考えられます。

5世紀以降は高句麗・百済・新羅の抗争が激化します。
地理的に離れた倭と親交を結ぼうとする中で
人・物・文化は日本に伝わったと考えられますね。

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